※富士山は、2020年夏、全ての登下山道が閉鎖となっているため、登山できません。
詳細は公式ページでチェック!
今回は富士登山で2番目に人気のルートである富士宮口ルートで、初心者の私が頂上まで行くまでの山中のエピソードを記載します。
それぞれの休憩所までの時間や距離、レベルなどを記載するので、ぜひ富士宮口ルート攻略の助けにしてください。
今回の記事では特に、
- 車で行くときの水ヶ塚駐車場の行き方とそ個から五合目に行く方法
- 五合目から休憩所の場所と特徴の説明
- 道中の景色や感想
- ご来光を見るまでの道のりと頂上の景色
を具体的に解説していきます!興味のある方はぜひ最後までお読みください!
富士宮口ルート出発点の水ヶ塚駐車場から五合目までの道のり
水ヶ塚駐車場の概要とマイカー規制の期間
富士宮口ルートで富士山に登る場合は、まずは水ヶ塚駐車場という場所を目指します。
マイカー規制が起こる登山ピーク時には、この水ヶ塚駐車場に車を駐車し、シャトルバスに乗って五合目まで行くことができます。
普段は無料の水ヶ塚駐車場ですが、このマイカー規制中には有料となり、車1台1000円の駐車料がかかります。
1000台の車を止めることができるのでまず満車になることはないでしょう。
このマイカー規制の期間はおよそ7月の2週目~9月の2週目まで続きます。
水ヶ塚公園、駐車場は登山者の車がたくさん停まっています。ここからシャトルバスで5合目に向かいます。 pic.twitter.com/16gCjmtrhM
— Taitan (@taitan21) July 11, 2015
また、マイカー規制期間以外は4月下旬から11月上旬まで通行できます。
五合目までの富士山の新緑や紅葉の姿を見ることができるので機会があったら私も行ってみたいと思います!
五合目までのシャトルバスの乗り方!価格・時間間隔など
シャトルバスは、高速バスのような縦に2列ずつの大きめのバスで行きます。
シャトルバスは有料で、片道1150円、往復2000円で購入できます。
購入場所は人だかりのあるバス停の目の前で売買されているのでとても分かりやすいと思います。
バスが来る時間は昼過ぎからおよそ1時間ごとになるので、スケジュールで組んだ時間に遅れないように早め早めに行動しましょう!
※水ヶ塚駐車場が通るバスの時刻表(2019年版)はこちらからダウンロードしてください
他にもタクシーで行く方法もありますが、割高になるのであまりおすすめはしません。
詳しい交通案内は富士山表富士宮口登山組合もホームページを参考にしてください。
⇒ホームページはこちら
五合目までの道のりと五合目施設の紹介
道中は約40分で、かなりカーブがあるので車酔いしやすい方は注意が必要です。
この時間によく休憩して体力を最高潮まで高めましょう!
▲五合目の時点でお菓子の袋はパンパンです(笑)
バスが付いたらすぐ近くに施設が見えるのでそちらに向かいます。
この施設は、売店兼食堂が1軒と、総合案内所があります。
バス停から登ってくる施設に行くまでに無料の公衆トイレがありますが、汲み取り式でにおいが強烈です。
施設の上まで登ると展望デッキもあり、天気のいい日には駿河湾を見ることもできます。
売店で腹ごしらえを軽く済ますのもいいですし、総合案内所には毎日更新される富士山の情報や登山のポイントなどを知ることができます。
登山のアドバイスも受けてくれるそうなので、不安な方は話を聞きに行ってもいいでしょう。
富士宮口ルートの五合目から八合目までの道のり
五合目から六合目までの道のり
この五合目まではバスで楽々と登ってきましたが、実はすでに標高2400mの地点にいます。
雲海が見える可能性もある高さです。
ちなみに五合目から六合目への道の最初に有料ですがきれいな公衆トイレもあるので下の汲み取り式のトイレが嫌な方はこちらを使うといいかもしれません。
ここからまずは六合目を目指すのですが、五合目から六合目の道のりは、砂でできた道を歩くだけなのでとても単純です。
しかし、最短ルートなだけあって最初から傾斜はしっかりあるので、飛ばしすぎには注意しましょう。
黒い砂の道をまっすぐ歩きます。
この高さはまだ高山植物が生えているのでどんな植物があるのか花が咲いている植物もあり、こういった楽しみもあります。
六合目までは約30分もしないうちに歩けるかと思います。
まずは準備体操という気持ちで登るとこの後の本格的な富士登山に備えられると思います。
六合目には「雲海荘」と「宝永山荘」の山小屋が2つあります。
トイレもあり、外にはベンチもたくさんあるので、たくさんの登山者が休憩しています。
トイレは有料です。ここより上のトイレへは約60分かかるので、屋外のトイレにこの機会に行っておくべきです。
【富士山五合目から六合目まとめ】
時間:30分以内
高さ:2400m~2500m
登山難易度:★☆☆☆☆
六合目屋外トイレ:200円(宿泊者は無料)
備考:この区間は緩やかでウォーミングアップに丁度いいので、登山靴を足に慣らそう!
六合目から七合目・元祖七合目までの道のり
六合目から上はいよいよ本格的な登山が始まります。
傾斜は上がり、道は狭まり、石がゴロゴロ転がっていて歩きにくさが出てきます。
また、地面が砂利になっているので滑りやすいですし、足をくじきやすい状態です。トレッキングシューズが必要不可欠というのはこの六合目からになります。
混雑もするので、周囲を気にしながらけがの無いように登りましょう。ストックがあると登りやすいです。
また、このあたりの道は真ん中が砂で滑りやすくなっているので、端にある岩を上手く使ったり、ジグザグに歩いて滑りにくくして登るなどの工夫も必要です。
疲労もたまりやすいので、グループ全体の調子を見てこまめに水分補給・休憩を入れると後々苦労せずに済みます。
新七合目は2780m。御来光山荘という山小屋があります。
山小屋の中はそんなに広くないので、山小屋奥に少しスペースがあるので、その場所で休憩するといいでしょう。
七合目と元祖七合目の間も200mの高さの違いがあるので、また登っていきます。
道としては今までの道とあまり変わらないので引き続き気を付けて登るようにしましょう。
七合目と新七合目の道中、標高3000mの看板もあるので、着々と頂上に近づいています。
砂利から岩や石が目立つようになり、草木はかなり少なくなってきています。
溶岩が固まった岩場も複数あり、足を一歩一歩踏みしめて移動しましょう。
この看板まで行ければ新七合目は目の前です。3000mを超えてかなり疲労感も溜まってきます。
新七合目は「山口山荘」という山小屋があり、トイレは200円です。八合目までの登山道の前に行っておくといいかもしれません。
【富士山六合目から七合目・元祖七合目まとめ】
時間:120分(六合目⇒七合目60分、七合目⇒新七合目45分)
高さ:2500m~3010m
七合目、新七合目トイレ:200円
登山難易度:★★★☆☆
備考:高所に慣れるためにも少しずつ登って体を慣らしましょう。
元祖七合目から八合目までの道のり
元祖七合目から八合目までの道のりは、これまで以上に溶岩が固まった岩が目立ちます。
大きい岩でできた岩場もあちこちにあるので、足の置き場に注意して登りましょう。
この高度になると寒くなり半ズボンではいられなくなりますが、擦り傷予防にも長ズボンかタイツを履いて登りましょう。
ふと下を見ると今まで登っていた道のりが見えます。
そして、だんだん草木がなくなり岩場になってきていることに気づきます。
3000mを少し過ぎた時点で登山距離は海抜で言うとようやく半分です。八合目に近づくとようやく山頂がどのあたりか見てきます。
【富士山元祖七合目から八合目まとめ】
時間:60分前後
高さ:3010m~3280m
八合目トイレ:200円
登山難易度:★★★☆☆
備考:ここで登山の半分の距離です。登山の半分を超え、ようやく山頂も見え始めます。
富士宮ルートのおすすめ山小屋池田館
私が頂上でご来光を見るために八合目で宿泊した池田館は下記記事でレビューをしていますので、参考にしてください。
3000m以上の山小屋にしてはしっかりとした大きな山小屋で快適に休息をとることができました。
(夜中)富士宮口ルートの八合目から頂上までの道のり
ここからは御来光を見るために深夜に出発した道のりになるので、夜間の登山になります。
夜間時の登山は昼間の登山よりも危険ですが、その分きれいな星が見えるなどいいこともあります。
(夜中)八合目から九合目までの道のり
夜中2時に出発。3028mの気温は夏と言えど寒く、スキーウェアを着ても動かないと寒くて震えました。
ここからは明かりがほぼないので、懐中電灯やヘッドライト、スマートフォンで足元を照らしながら進んで行きます。
暗すぎて周りの景色も分からないので、夜の登山は夢中担って登りますが、意外とこの区間は岩場が少なくてこれまでよりは楽に歩くことができます。
時折休憩をはさみ空を見上げるとさすがは雲の上。満点の星空が見えます。携帯では撮れないので、ぜひ光を集めて撮れる一眼レフで写真をとってみてください。
木に効果が埋め込まれている謎のオブジェもあります。
夜の写真だとホラー感満載ですね。そういう習わしがあるのかとおもいきや、調べてみると完全に間違った参拝(?)方法のようです。
そもそも神木に触れて硬貨でもなんでも突き刺すとはかなり無礼な行いです。
全て取り外すのは登山者の役目ではないので、真似せず触れずその場を過ぎましょう。
この区間は45分ほど登ると九合目「万年雪山荘」に到着できます。
【富士山八合目から九合目まとめ】
時間:45分前後
高さ:3280m~3480m
九合目トイレ:200円
登山難易度:★★☆☆☆
備考:このあたりからペットボトルの水が平地の2倍以上になります。
(夜中)九合目から元祖九合目までの道のり
ここからはまた岩場ばかりの道になります。
九合目との間にそこまで距離はありませんが岩場もありの急な部分があるので、少し時間がかかると思います。
登ること約30分、山頂までの最後の山小屋であり、富士山の全ルートで最も標高の高い位置に存在する山小屋が九合五勺(九合目半)にある「胸突山荘」に到着です。
ここからは最後のラストスパートになります。
【富士山九合目から九合五勺まとめ】
時間:45分前後
高さ:3480m~3590m
九合目トイレ:200円
登山難易度:★★★★☆
備考:岩場の多い道になるので、一歩一歩が重たいので気合です。
(夜中)九合目から頂上までの道のり
ここまでくるとあと少し、頂上に向かって歩く人たちのライトが道しるべになって登頂の予感がしてきます。
富士山は3,766mなわけですが、頂上は、3,710m程度です。
ということは九合五勺からは約100m登れば到着です。しかしこの100mも難関で登山道は狭く、岩場が多いため狭い道を暗闇の中歩きます。
夜中は下山者がいないので、一方通行ですが、昼過ぎや夕方は登山道と下山道が同じということもあり、非常に混雑します。
こういうこともあるので、ご来光を見る登山は混雑の無い中登れるのでおすすめです。
景色は太陽が昇った後の下山時に楽しみましょう。
【富士山九合五勺から頂上まとめ】
時間:45分前後
高さ:3590m~3710m
九合目トイレ:200円
登山難易度:★★★★☆
備考:お疲れ様でした!達成感を味わえます。
富士山頂上は火口をぐるっと一周囲むように道があります。
富士山頂上・剣ヶ峰からのご来光の感想
富士宮ルートの特権|富士山頂上浅間大社奥宮に参拝
富士宮口ルートを登りきると目の前には、富士山頂上浅間大社奥宮(せんげんたいしゃおくみや)があります。
他のルートだとこの場所は反対方向にあるので、なかなか拝むのに手間がかかるので、富士宮口ルートから登頂した人の特権でもあります。
営業時間は5時からなので、御来光の後しばらくしたら営業開始されます。
開山期には、神職が滞在して登山者の無事と健康を祈り、縁起の良いお札・お守り・御朱印を授かることができます。
体が温まる火起こしセットとカップラーメン
また、登頂とはいえ、本当の頂上(剣ヶ峰)にはまだ坂を登らなくてはなりません。
私たちは少し早く到着したので、岩陰で休憩していましたが風がかなり吹いていて笑えないほど寒かったのを覚えています。防寒対策はしっかりしましょう。
ここで持参した火起こしセット、カップラーメン、インスタントコーヒーが大活躍しました。
日本一高い場所で食べたカップラーメンは今までのカップラーメンの中で一番心が満たされて美味しかったです。
ただ、標高が高いと沸点も変わり、ぬるいのに沸騰してしまいます。
美味しくなかったという意見もありますが、私はギリギリ美味しくて温かいラーメンを食べることができました!
この感動から、もう私たちの登山にとっては必要不可欠のモノになってしまいました。
剣ヶ峰から見たご来光
そしてご来光の直前に剣ヶ峰に登ります。
剣ヶ峰への坂はとても滑ります。端にロープがありますが、つかまないと自然と下ってしまうほどに急な坂道と砂の道です。
慌てずゆっくり登りましょう。
剣ヶ峰の展望台にはさすがに人がいっぱいだったので、その前の道の場所でご来光の写真を撮りました。
そろそろ太陽が上がってきます…!
もう少しの時間が長く感じてしまうのですが、しばらくすると光が差し込んできます。
ご来光―!
生で見ると、寒さなど忘れてずっと見続けられるほどの神々しさを放っていました。
「改めて地球ってすごいな」と力をもらえる場所、パワースポットだとこの身で感じました。
この感動体験は一生に一回体験していただきたいものです。しばらくすると太陽の光がすべてを照らし、今まで隠れていた頂上や火口の様子を見ることができます。
富士宮口ルートの下山が特に注意が必要な理由
富士山は下りの注意点の方が多いです。登りにすべての力を使い果たしてしまうのは非常に危険です。
富士宮口ルートが下山で危ない理由は大きく二つあるので紹介します。
登山道と下山道が同じ道
富士宮ルートは登山道と下山道が同じなので、御来光の後、時間がたてばたつほど混雑してきます。
もちろん昼間の登山だとしたらいつ降りても混雑してしまいます。
人とすれ違えばすれ違うほど自分の移動範囲は狭まるので、危険も伴いますし、下山の時間がかかります。
富士宮口ルートで下山する場合は急がずゆっくり下山することを意識して、周囲に思いやりを持った登山マナーで行動しましょう。
また、下山の方法には遠回りにはなりますが山頂から御殿場ルートを使って富士宮口五合目に下ることもできます。
御殿場ルートの新七合目での分岐、下り六号の分岐で気づかないと全く違う場所に出てしまうので、分岐の見落としには注意しましょう。
富士宮ルートは最も短いルートなので、傾斜が急
他の登山道よりも距離が短いので、急なことはここまででよく知れたと思います。
坂道が急ということは、下山での滑りやすさや足の負担が大きくなります。
下山時にこけたり滑ったりすると、岩に体を打ち付けたりすったりして軽傷で済めばまだいいですが、大けがをするリスクもあります。
下りこそより安全な歩き方を意識することで、思い出深い富士登山になるでしょう。
まとめ|富士登山=人生の中で深く記憶に残る体験
いかがでしたか?
少し長くなってしまいましたが、私が実際に8月富士山に登った体験記を記事にしました。
世界遺産に登録され、日本一の高さを誇る富士山。
私が登っていた日に限られるかもしれませんが、登山者は若者は少なく、ある程度年齢が上の方や外国人の登山者が多く見られました。
若い人こそ、一番体力のあるうちに富士登山という達成感を感じてほしいと思います。
富士登山の登山者数は毎年上がったり下がったりとバラバラですが、外に出て体を動かして自分の力で感動を生む。そんな現代人が忘れかけている感動を今後も私は伝えていきたいと思います。
※例年のルート別富士登山者数の推移(pdf)
初心者には吉田ルートがやはりおすすめです。私も吉田ルートは登ったことがないので、次回機会があったときは吉田ルートから日本一高い場所を目指そうと思います。
とはいえ、ご来光を見るなら富士宮口ルートもおすすめです。
深夜登るときにもそこまで混雑しませんし、下山も早めに移動すれば混むことなく下れます。しっかり計画を立てましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました